大根臭ってあるんですね。気にしてなかったけど。
大根臭って言葉の存在を初めて知りました。上手ではない俳優さんとかに使う言葉のようですが、違います。大根おろしとかが臭いな〜って思ったことないのでなじみがないです。臭いも含めての大根だろう!っていうのは、既成概念にとらわれた人の発言なんでしょうか・・。
臭いの元は辛味の元。グルコラファサチン。
グルコラファサチン(4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレート)という物質で、黄変の元ともなっているようです。農林水産省の資料に載っているの正解でしょう。この物質が辛味成分のイソチオシアネートとかたくあん臭の成分のメチルメルカプタン、黄変成分のTPMTになります。
受け売りですが・・・
健康用語WEB辞典より
https://health.joyplot.com/HealthWordsWiki/?グルコラファサチン
この成分を無くしちゃおうという研究の成果。「悠白」と「サラホワイト」という大根。
東北大学の北柴准教授らの研究グループはグルコラファサチンを作る遺伝子「GRS1」を発見。その成果を生かしグルコラファサチンを含まない新品種を作りました。それが「悠白」と「サラホワイト」です。
Business Journalより
https://biz-journal.jp/2017/03/post_18503.html
すごいのは、ここにニーズがあるんだってことです。シーズが先か?ニーズが先か?ちょっと背景はわかりませんが、大根臭とか黄変に困っていた人がいてこの品種ができたってことに驚きます。この品種が”最新技術・品種2018”として農林水産省のサイトで紹介されています。
農林水産省 最新技術・品種2018
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/new_tech_cultivar/pdf/2018kobetuseika/2018_all.pdf
におい・かおり環境学会誌 44巻5号より
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/44/5/44_307/_pdf
中間品種としては「だいこん中間母本農5号」という名前で、グルコラファサチンを含まない種があったようだが、す入りや空洞が発生しやすいため、実用種は開発されていなかったようです。
この大根のニーズってなに?臭くなくて白いまま。いいんじゃないそれ。
この大根の情報を知って、驚きとニーズをつかむという大切さを改めて感じました。「悠白」は漬物用でたくあん作成時に色の均一性を保つための色素添加をなくせるとのこと。通常のたくあんはTPMTに任せるため、色むらになりやすく、補うために色素を添加する。TPMT発生のない「悠白」はその必要がありません。こんなニーズがあるなんて、たくあん見てても気がつきません。「サラホワイト」はお刺身のツマとかサラダ用で臭いの少なさを求める消費者のニーズと食品加工業者の保存安定性に対するニーズを満たすそうです。冷凍しておくと大根は黄色くなっちゃうらしい。大根おろしの冷凍保存が可能になり、使用方法が広がるかもしれません。
生産者が把握すべきニーズってなんだろう?
昔、実家でも大根を作っていました。そのときの大根がどう使われたか?知る由もありませんでした。どんな人が買い、食べているのか?全く知りませんでした。品種改良により作られた大根がいいとか、悪いとかは別として(いっぱい議論されているだろうから・・)少なくても、買ってくれる人や食べてくれる人が求める”生産物”をイメージし、それに寄り添う生産者になるべきだと感じました。
最後に簡単にできる臭み消し!って、普通の大根につかってね。
大根おろしの臭い消し方法です。よくあるやり方みたいです。
- 加熱する レンジでチンです。あまりやりすぎると甘くなっちゃうので注意。
- 水で洗う おろして水にさらした後、絞ります。でも、辛くなくなっちゃうんですよね。
- すぐ食べる これが一番。新鮮なうちに食べちゃいましょう。