韓国のイチゴはおいしい?
先日の平昌オリンピックで活躍した、カーリングのLS北見。試合中の栄養補給として、北海道のおみやげの赤いサイロや果物をたべていました。その際に、ほおばっていたイチゴ。韓国産のイチゴです。でも、このイチゴ達は元は日本からもたらされたものです。日本の農家が8年かけて種を選んだ「レッドパール」の苗が持ち出されて栽培された物や流出した「章姫」と「とちおとめ」を交配した「錦香」とよばれるイチゴ達です。
愛媛の農家さんが完成させたレッドパール。この苗が韓国人の手に渡り、広がりました。当然、農家さんもただ渡してしまった訳ではありません。しっかり、契約書を作り、数年にわたる栽培のみを許しました。しかし、契約は反故にされて、他の農家に次々と渡り、韓国中に広まってしまいました。
法律や国は守ってくれないの?
ここで、誰かが守ってくれないの?ということが疑問としてわきました。
法整備は?
法律といえば、作物の特許である種苗法と一般的な民法、あたりが助けてくれそうです。ただし、外国との関係において、種苗法が成り立つのか?
ここが問題だと思います。
種苗法
開発下品種を新品種として、登録する事ができます。
出願料は47、200円。登録料は年によって異なりますが、6000〜36000円です。登録より時間がたつと、高くなる仕組みです。
登録されると育成者権が得られ、種苗、収穫物、加工物を利用する権利が専有されます。つまり、他の物は許可なく作れません。
農林水産省 品種登録ホームページ
http://www.hinshu2.maff.go.jp/act/seido.html
しかしながら海外においては日本の種苗法の効力はおよびません。国際的な農産物の保護の仕組みとしてはUPOV条約が存在しています 。ただし、批准していない国では、保護の仕組みが働きません。
韓国は2002年まで批准しておらず、その後も2012年までイチゴは保護対象からはずれていました。
一般的な民法では?
日本の法律である民法に照らし合わせると、実は取り戻せません。
契約した相手が育成する事をやめさせることはできますが、(契約の取り消し)第三者にわたった種苗や育成する事をやめさせる事はできません。譲り受けた人が、日本から詐欺行為でとったとしても、それを知らないいわゆる”善意の第三者”だと、取り戻せないのです。
韓国の民法も同様です。
大阪大学の資料参照
http://legalprofession.law.osaka-u.ac.jp/pdf/event/koria/korea_chapter8.pdf
残念ながら・・・
苗をとりかえすことは難しいようです。ただ、工業的な世界では、特許で守られている期間は20年。その間に新しい技術を開発し、新しい特許を生み出すといったサイクルがおきています。国際的に日本の農業を発展させていくのなら、そういうサイクルに農業も対応しなければならないのかもしれません。
国際的な経済損失
農水省の試算ではイチゴの流出で輸出期間が奪われた結果、220億の損失が発生しているとまとめている。ただし、日本の農家が同じだけイチゴを輸出できた場合の事であろう。グローバルで戦って勝ち抜ける品質を持っている事は、今回明らかになった。後は、売る力をつける必要があるとかんがえます。でも、実際はここが難しい…