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実家は農業

きのこ工場竣工 エレベータ編

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農家はリスクをとって、決断しなくてはいけない時がくる。
農家は経営者である。自ら投資を決めて、実行する。リスクと期待の入り交じった苦しい判断だ。うちの父親はエノキにかけて、工場の新設という大勝負にでた。自分が小学校3年生くらいの時だ。近所には大規模にエノキをやる農家はなく、思い切った判断立ったと思う。鉄筋2階立て。1階ではエノキの芽が出るまでの行程、2階はそれ以降と出荷作業用である。構造上、エノキを2階あげなければならない。そこで、エレベータを設置することになった。構造は至ってシンプル。L字鋼で組んだかごをウインチで引き上げるだけ。本当は人が乗ってはいけない。

新しい工場が建つわくわく感。
自分のうちにエレベータがつく。これは小学生の自分にはかなりのわくわく感。次第に建物ができあがるなか、早くのってみたいと親父にせがんだのだろう。建設途中にも関わらず、夜中に動かしてみることになった。親父としても決断した投資で、ちょっと舞い上がっていた部分もあるだろう。暗いなか、ウインチがカゴを持ち上げる。ついた2階にはまだ壁もない。田舎なので周りに同じ高さの家はなく、通っていた小学校のあたりの民家が点々と見えたのと、ただ一面の星空の記憶がある。どんな思いで息子である自分をつれていったのだろうか?誇らしさ半分、決断の重さ半分くらいかな。

英断のリスク
どの程度の借金であったのか聞いていないが、農家の収入で返していくには、厳しかったと考えられる。この決断があったから、自分を大学まで出せたと最近聞いたが、個人で背負うには過大なリスクであったであろう。うちの後に続いたエノキ農家は競争に打ち勝つため、さらに大きな投資規模となり、中学生の息子との2代ローンを念頭に置いた多大なリスクをとる決断をした。今や、家族経営のエノキ農家は今や淘汰され、大規模な投資をしたところがかろうじて生き残っている。個人経営としてリスクをとり、大勝負を打つ。格好良く聞こえるが、そう簡単なことではない。借金は個人補償であり、事業がうまくいかなければ、一家が路頭に迷うこととなりかねない。

センスか?アドバイスはあったのか?
投資を決めたとき、農協などからのアドバイスはあったのだろうか?それは的確だったのか?それなりに実績を出せたのだから、よかったということだろう。親父と母の経営センスが良かったのだろうか?たしかに母は嫁ぐ前は経理の仕事をしていた。本来は思い切った決断ではなく、順当な選択として投資を決めなければいけないと思う。そういう手順をとれていたのだろうか?後に続いたエノキ農家は有限会社等の会社形態をとる場合が多かった。リスクの低減を考えてのことだろう。センスや覚悟だけに頼る決断ではリスクが高すぎる。農家にも経営の知識が必要だと考えます。また、それを支える的確な経営指南(役)も必要ではないでしょうか?

経営を勉強する。
まずは自らの知識を増強するため、経営の勉強を始めました。現在の知識は簡単な財務諸表を読めるくらいです。農業に特化した勉強はまだまだ先です。

今後の農業
どのような形態の農家を目指すのか?個人か?会社か?個人で有機農業を実施するにしても、うまく売れなければ、生きていくことも難しい。会社組織でもうまく経営できなければ、社員は路頭に迷う。農家のリスクはかなり高いと思う。助成金や補助金を利用してリスクを減らす、一般的な会社経営にならって農業運営するなど、まだまだ工夫するべきところはおおい。

ついでに補助金に一言。
実家では補助金はもらったことがない(と思う)。今はスモモを作っている。助成金でみんなの選果場を作ったようだが、個人の農家が補助金や助成金で楽してるって話はほとんど聞いたことがない。出し過ぎにはたしかに注意が必要だが、本当に必要なところには届いてほしい。補助金に頼るから努力しなくなりぬるい農家が増えるっていうのが最近の論調だが、正しく使ったり、使えるようにアドバイスするという部分を充実させなければならないのであって、補助金をなくすというのは極論に思える。

とーちゃん

星空
話は飛んでしまったが、親父のたてたキノコ小屋からの星空は未だに残っている。そして星空をバックにたたずむ親父をちょっとだけ誇らしくみえた。ナンバーワン農家になった気がした。(小学生の知る世界では・・・)でも、今思うと、美化されてるな〜っておもいます。

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